カルチャーエッセイ

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翠嵐 嵐山

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  • 2020.02.23 10:10

 

 

    翠嵐 入口                                                                                                           2019  1  11

 

  

 

李承信ので書くカルチャーエッセイ

 

翠嵐 嵐山

 

 

3、4年前まではよかった。
それまでは京都には外国人観光客と日本人とが適度に入り混じっていた。どんな名所でも静か過ぎれば寂しいし、かといって見渡す限り人ばかりというのも問題だ。

 

いつごろからか、日本に中国人たちが溢れ始めた。京都や東京なら有名な都市なので理解もできるが、辺鄙な田舎の山奥でまで中国人を見かけることができ驚かされる。韓国人も来るが、韓国の旅行社のコースは京都が半日か一日だ。京都は京都だけのスケジュールで来なければならない。それだけ見るべきものが多く、考えるべきことも多いからだ。
 
京都市内はソウルのような大都市に比べればとても小さく、市内のどこへもすぐに行けるが、嵐山は市内の中心からバスで25~30分。京都にしては結構な距離だ。
嵐山の前には桂川が流れ、そこには渡月橋がかけられている。‘月が渡る橋’という意味だ。実際、その上に月がかかるとまるで川を横切って月がその橋をそろそろと渡っていくように見えるので、よく似合う詩的な名前だ。この橋を渡ると、人の名ももちろんだが、都市や橋も命名が重要だと思わされる。

 

風光明媚で昔は貴族の別荘があった鄙だが、その一帯の道に最近すさまじい人波が押し寄せている。人波にもまれて目の前の川と山をじっくりと眺める暇もなく、あれよあれよとしている間に、4時にもなると薄暗くなってしまう。いわゆるガイドブックに載っている世界遺産の天龍寺や竹林の道もやはり人に押されて歩き、名物の豆腐料理でもちょっと食べれば一日が終わってしまうだろう。

 

巨刹の天龍寺は4月初めの枝垂桜と梅花が絶品であり、紅葉の季節だけ開放されるすぐ隣の宝のような庭園の寶嚴院の紅葉は数ある京都の紅葉の中でも最高のもので、これについては既に書いたこともあり、映像も撮り、今年出た私の著書『なぜ京都なのか』の中でも詳しく触れている。

 

私のように嵐山を既に何度か訪れたことのあるものは、薄暗くなる4時ごろに来ては、人気の少なくなった桂川の川辺を歩きながら、多くの見どころの中から2ヶ所ほどに立ち寄る。
 
そのひとつが翠嵐だ。桂川に面して上品な庭園のある高級レストランがいくつか立ち並んでいる道を川沿いに最後までずっと歩いていくと、翠嵐 Suiran Kyoto という優雅な入口の看板があらわれ、‘A Luxury Collection Hotel’と書かれている。世界的なホテル雑誌に‘最も展望のよい Top View’として選ばれているところだ。一泊3千ドル。建てられてから間もないウェスタンスタイルのホテルだ。しかし日本ではウェスタンといっても日本ならではの独特さが加味されることになる。

 

初めて訪れたとき、入口の制服を着たドアマンが予約がないといって入れてくれなかったので、左側の離れにあるカフェでコーヒーでもと思ったが、そこも予約がなければだめだといわれ、あきれて踵を返した。代わりに裏手に回ってちょっとした上り坂をのぼり中国人たちが必ず訪れるという周恩来の詩碑を見た。

 

二度目は顔見知りなので、なんとか説き伏せてカフェに入ることができた。さすがに‘Best View’に選ばれるだけのことはある。目と鼻の先にながめる紫色の照明でライトアップされた4時半の嵐山の光景は最高で、私の足元にはちょうどよい幅の川が緩やかに流れている。三面の窓からはカフェと川の間にある優雅な太い松の木を嵐山とともに楽しむことができる。右側の庭園をはさんで建つホテルの客室からの最高の眺めは、まさにこれだろう。

 

三面の窓からの眺めや川に面した椅子からの眺め、昼であれ薄暗い夕方であれ、そのどれをとっても常に感嘆させられる。アメリカのニューヨーク、マサチューセッツ、ワシントンの景観をひと月ほど見てきた直後だというのに。

 

優雅なコーヒーカップに注がれる一杯のコーヒーの値段は普通のそれの2.5倍もするが、3千ドルなら安いものとでもいいたげに手をとり合ってホテルの方に向かう若い中国人カップルもいるので、コーヒーの値段に文句をつけるわけにもいかない。しかもこちらは予約しなければ入れないカフェに予約もなしに入れてもらっているのだから。

 

世界には食べ物や水がなく餓死寸前という人々もいるが、お金があり余っている部類もいて、そうした人々のためにとびきりの景観にこうした施設が作られていることは感謝すべきた。お茶一杯にこんな高級な雰囲気に接することができるのもよいことだ。

 

しかし、5時に閉店となるそのカフェを出た私は、入口の大門の少し前にある苔の上に掛け渡された、ともすると見落としがちな細い竹細工の仕切りにより深い感動を味わった。あるかなきかのように丸く掛け渡されたわずか何センチかの高さの仕切りで、そのまま行過ぎてしまう人の方が多いだろう。紅葉を照らし出す神秘な照明に目を奪われ、入ってくるときに足元までは目がまわらなかった。

 

ソウルで生まれ育ったので市庁の職員を少し知っているので、ヒールがはさまる歩道のブロック、美とは程遠いステンレススチールの太い手すり、ごついセメントの衝立等、ソウルを歩いて感じた不満を機会があるたびに口にする。「こんなふうに目立つようにせずに、見えるようで見えない、飾っていないようで飾っているのがよいのに」と言うと、それにはたくさんの費用がかかるという。「お金の問題じゃなくて見る目の問題、眼識の問題で、創造された自然にあくまでも謙遜に人間の手をそっとそえるだけのことなので、むしろお金などそんなにかかりません」と何度も話した。

 

この高価な最高級ホテルは莫大なお金をかけて作られたと考えることもできるが、そっと掛け渡されたこの小さなどうということもない竹の仕切りを見ると、日本人の精密なディテール表現を改めて感じさせられる。

 

嵐山の橋をわいわいがやがやと列をなして渡る人々に、陽が沈んだ夕方、この片隅の細やかさが目につくはずもない。しかし、彼らにも見えればいいのにと思う。

 

すっかり暗くなった5時、翠嵐の神秘を後にしながらそんなことを考えた。
そのすぐそばにはかなり大きな‘短歌文学館’が慎ましやかに建っていた。 

 

 

 

 

 

 

翠嵐入口  –  嵐山 京都  2018  12

川に面した嵐山 

   翠嵐に足を踏み入れると左側に川が流れ、紅葉の後ろには茶寮が。 

 

翠嵐ホテル入口の茶寮から見える川と山 


寮から眺める川と嵐山 12 

 

夜間照明に紫色に照らされた嵐山 

 

 翠嵐の庭園から門に続く道 

 

桂川と山に臨む翠嵐の低い石塔ひとつ 

 

苔の絨毯に掛け渡された竹の仕切り

 

夜の照明に照らされた渡月橋   -  嵐山  2018  12

 

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

 

                  

 

 

 




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