カルチャーエッセイ

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うどん

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  • 2017.03.03 12:33

  

 

 

                                                                                                   2014  3  21

 

                                                           

 うどん一杯

 

四時間も待って食べたうどんはさすがに一級品だった。

京都は平安神宮のすばらしい一面の桜を見て出ると、古びた家の前に長い列が見えたので、私も並んでみた。どこでもそうだが、日本で列をなしていれば、そのほとんどは信ずるにたるところだ。日本人は列をみると何の考えもなしに並ばずにはいられないという。

 

京都を首都とした桓武天皇を称える平安神宮と京都市立美術館があり、動物園のある古い区域の道端にある山元麺蔵という名前のうどん屋だ。あまりに待ちすぎて体をねじるようにして入ってみると、古くて薄暗い雰囲気の20席もない小さな店だ。私は偶然入ることになったが、こんなにも情報が世界に広がっているとはすごいことだ。大部分は観光客で、中国人の姿が目立つ。

 

カウンターに座ると、 頭に鉢巻をしめた若者たちがうどんをゆでている姿や天ぷらを揚げている姿が見える。注文したきつねうどんと野菜の天ぷらは期待を裏切ることがなく、2008年に店を出したという若き店主の山元氏に賞賛の言葉を惜しまなかった。

 

中学生の頃、学校が終って光化門を過ぎて貫鐵洞に向かって友だちと手をつないで歩いていくと、いろんな名前の看板をかかげたうどん屋が並んでいた。そこで食べた鍋焼きうどんの味がどれほどおいしかったか。

 

ある日、そのうどん屋は消えてしまい、その後に新しくできた店に行ってみると、あのときの味ではなかった。技術というよりも大人になり私の味の好みが変ったせいだろうが、以前のあの味がいつも懐かしい。

 

日本でおいしいうどんを食べソウルに帰って来ると、時どきそのうどんの味も思い出されることがある。私があのうどんの味を思い出すというと、それを聞いた一緒に食べたことのある人が自分もそうだと言う。その人のことを思いながら、代わりにそのおいしいうどんを食べる楽しみをそっと享受する。

 

かつお節とさまざまな材料で出汁をとったと思われる汁はとてもおいしく、器一杯に広げられたきつね色の油揚げ(それできつねうどんと言うのだろうか)の歯ごたえがよく、何よりもその場で作った太い麺が上質だ。さつまいもと玉ねぎとキノコの天ぷらもサクサクと芳しい。千円で享受できる喜びだ。いつも長時間の行列待ちなのでなかなか待とうとは言い難いが、待つだけの価値は十分にある。

 

タクシーの運転手になぜあの店は一日中あんなに行列続きで、みんな黙って並んでいるのかと聞いてみると、高級ではなく、京都のB級グルメとして餃子のお店の次に2位に選ばれたからだという。B級グルメというのも初めて知った。おもしろい発想だ。

 

そちらに行くことがあれば、いつもその店に寄ってみるが、列に並んでは放棄して踵を返す。並んで待った一時間がもったいないが、出された課題の勉強をしなければならないからだ。

 

少し前に、その近くに別のうどん屋ができた。待ち時間も長くない長所がある上に、可愛らしい庭園もあり、インテリアも味もモダンで気に入り、山元麺蔵に待ちくたびれたときには、そちらに入ることにした。

 

うどんを箸ですくいあげると、昔妹が通っていた筑波大学の前で、父と食べた一杯のうどんと、素朴な日本の文学作品一杯のかけそばが思い出される。

 

ソウルに帰ればまた思い出すことになる味だ。そう思い、三度も並びながら、四時間を耐えて待ち続けたのだった。

 

 


                    一杯のうどんを前に

                 ソウルで懐かしむその味を思う

 

                 墓に横たわりながら

                 世の中の味を懐かしむだろうか

 

 

 

   

 

  山元麺蔵の看板とメニュー 京都  2016  3

 一日中長い行列の絶えない山元麺蔵の前 

店主の山元氏

 

きつねうどんと野菜天ぷら  –  京都 山元麺蔵  2015  11

 

 

 

 

 

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李承信   詩人  エッセイスト  TV放送人  孫戸妍短歌研究所理事長 
梨花女子大学英文科、ワシントンジョージタウン & ニューヨークシラキュス大学院

京都同志社大学

放送委員会国際協力委員、サムスン映像事業団 & 第一企画製作顧問 歷任
 
著書 - 癒しと悟りの旅路、息をとめて、沖縄に染まる
花だけの春などあろうはずもなし、あなたの心で花は咲く 等

 

 

 


             





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