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大震災に注ぐ詩心、日本列島の心の琴線に触れる

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  • 2013.09.15 23:49
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文化日報 2011年 9月 20日 火


      大震災に注ぐ詩心、日本列島の心の琴線に触れる

     

        詩集‘花だけの春などあろうはずもなし’を出した李承信詩人

 

       


「文学作品の精髄である詩は国と国を親しく結ぶ“文化外交”の役割も果たすことがで

きると思います。今度の私の詩集がそのきっかけを開くことができればと願っています

新詩集‘花だけの春などあろうはずもなし’(ソチョン刊)を出した詩人李承信。芸術空

間‘THE SOHO’の代表でもある李氏は、最近詩集を続けて4冊も出し、詩人としても活

発に活動している。今度の詩集は特別に‘日本東北地方の大災難に寄せて’という副題

が付されている。

 

「日本に大地震が起こったとき、韓国国民はどれほど大きな衝撃を受けたでしょうか。

私も深く悲しみ、その心が250余篇の詩として瞬間的に表現されたのです」

その作品の一部が短歌として翻訳され日本の朝日新聞に載せられると、残りの詩も見せ

てほしいという読者の要請が新聞社に殺到した。新聞社からその話を伝え聞き、残りの

作品を送ろうとしたが、いっそ本にして出そうと思い直したという。

ハングルでつくった短な詩篇を日本の伝統詩である短歌の韻律で翻訳したのである。短

歌は俳句と並ぶ日本の代表的な詩形式で、日本語の発音で五・七・五・七・七の五句三

十一音の形式からなっている。

「外国語からなる詩が短歌に訳され短歌集として出たのはおそらく初めてだと思います

。韓国内には短歌詩人は一人もいませんが、それでなくとも母国語であるハングルから

なる短詩を日本の短歌に翻訳する作業は不可能であるというのが翻訳専門家たちの意見

でした。しかし、短歌にしてこそより大きな感動がある、という日本の短歌の権威者の

言葉に、韓国及び日本の文学者、そして知人の皆さんの努力と助けをいただいて何とか

これを成し遂げ、二百余首の短歌が日韓両国語で収められることになったのです」

彼女の感激は自身の詩を短歌に翻訳して本を出したという次元を超えている。去る2003

年に他界した母である孫戸妍詩人が生涯をかけて実践してきた“詩を通じた韓日間の架

け橋の役割”を自身が引き継ぐことになったからだ。孫戸妍は韓国唯一の短歌詩人とし

て日本の天皇の招請を受けるほどに日本でその名声を知られた人物だ。

 

「日本の植民地時代に生まれた母が日本語でつくった短歌を、私が韓国語に翻訳して知

らせたのですが、今やその反対に私が母国語である韓国語で書いた詩が日本語の短歌に

翻訳されて詩集として出ることになったのです。何という不思議な巡り合せでしょうか

 

この詩集は日本に先駆けて韓国で出版された。韓国の読者は韓国語の詩だけを読んでも

深い余韻に浸ることができる。

 

 

‘어디에 해일이 지진이  지뢰와 전쟁이 있을지 몰라  어디에도 도망을 칠 수가 없다’ 

 どこへ行くどこへ逃げ出すこの星は津波に地震地雷に戦争 

 

 

‘삶에 나라에 어찌 꽃피는 봄날만이 있으랴 그러나 봄이 없는 겨울은 없다’  




花だけの春などあろうはずもなし春の来たらぬ冬もまたなし 

 

 

‘다 쓸려간 마을에 무슨 꽃이 피랴 싶어도  그대의 마음 있어 꽃은 피리라’ 




この廃墟にもう花などはと思いしが君に心あり花は咲くなり 

 

 

‘아파하지 말아요  삶이라는 상처를  인류가 그대에게 위로 받고 있어요’  
痛がるな人生というその傷を人類が君に癒されている 

 

 

‘오늘 나는  미야기의 그대 생각을 한다 하늘에서 슬퍼하실 어머니를 생각한다  

 今日吾は宮城の君に思い馳せ空で悲しむ母をも思う

 

 

詩人が隣国の悲しみを慰め、日韓両国の友好を強調することに誰が反対することができ

ようか。しかし、竹島を日本領であると言い張る日本人に対する民族感情の側面のみか

ら見れば、この詩集は微妙な視線にさらされもする。

 

「竹島は歴史的な資料を見ても、科学的証拠を見ても韓国領です。少数の政治家が注目

を浴びようとそのような主張をしますが、良識のある日本人は彼らの言葉に耳を傾ける

ことはありません」

 

彼女は今度の詩集に詩語として登場する‘槿’に‘韓国の国花’と日本語の注を入れた

。「私たちは桜が日本の国花であることを誰もが知っていますが、日本人は槿が日本全

国に美しく咲いているにもかかわらず、それが韓国の国花であることを全く知らないの

で、そのことを知らせたかった」と言う。

 

彼女は「日本の国詩として仰がれている短歌は、千四百余年前に渡来人によって伝えら

れたもの」であるとし「そのような事実を日韓両国民に知らせる仕事をしている」と語

った。中西進(前京都市立学芸大学総長)氏等良識のある日本の文学者は、日本の最も古

い短歌集である万葉集は百済人がつくったものであることを認めているというのが彼女

の説明だ。

 

中西進氏は今度の本の跋文で「国境をこえて心を結ばせる詩の力を大きく感じ」と賞賛

した。

 

李承信詩人は「日本人が千年を超える伝統詩である短歌を今日まで学校や言論にて学び

、詠み、楽しんでいるのを見ると妙な感慨に浸され、私たちもこのようであれば…とい

う気持ちになる」とし、「しかし、この詩の一篇一篇は必ずしも大災難に遇った方たち

だけでなく、私の愛する隣人と、苦しみの中にある人々全てを思い作ったものです。ま

た、この詩集で文学を愛する日韓両国民に私の真心が伝わり、互いに心を寄せ合う‘高

級文化外交’の役割も担うことができればと願っています」と語った。


                                                               ジャン・ジェソン記者  jeijei@munhwa.com

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